DJI Action 5 Pro、GoPro HERO 13 Black、DJI Action 4、GoPro HERO 12 Black を比較し、結果を私なりに考察します。機種選定の助けになれば幸いです。
比較したアクションカメラの4機種(発売日順で並べます):
- DJI Osmo Action 5 Pro(発売日:2024年 9月19日)
- GoPro HERO 13 Black(発売日:2024年 9月11日)
- GoPro HERO 12 Black(発売日:2023年 9月14日)
- DJI Osmo Action 4(発売日:2023年 8月 2日)
比較動画をYoutubeにアップしています
Youtubeにアップしている比較動画をベースに本記事を作成しています。
この動画を見ながら(もしくは見た後に)、この記事を読んで頂ければ比較内容についてより理解を深めて頂けるかと思います。
この記事での比較内容
比較内容はYoutube動画と同じ内容です。
動画では私の見解を細かく述べてはいません。
しかし、この記事では各比較項目について私の感じた点を述べます。
比較内容:
- 外観の比較
- 画角の比較
- 解像度の比較
- 昼間の色の比較
- 夜間の色の比較
- 昼間の手ぶれ補正の比較
- 夜間の手ぶれ補正の比較
- レンズフレアの比較
- ローリングシャッターの比較
- 発熱の比較
- 街歩きでの比較
- 昼間の自転車乗車時の比較
- 夜間の自転車乗車時の比較
- 比較動画では触れていない点
- 液晶画面のタッチ操作のしやすさ
- 物理ボタンの押しやすさ
- バッテリーの持ち
- ファイル容量
- 三脚穴の有無
画像はクリックすると拡大できるようにしています(動画のキャプチャなので、4Kサイズです)。気になる人はぜひ画像も拡大してチェックしてみてください。
比較時のファームウェア
比較時のファームウェアは以下の通りです。
- DJI Osmo Action 5 Pro: 01.00.07.30 / Cam: 10.00.06.21
- DJI Osmo Action 4: 01.04.07.10 / Cam: 10.04.00.10
- GoPro HERO 13 BLACK: 01.10
- GoPro HERO 12 BLACK: 02.20
外観の比較
DJI Action 5 Pro、DJI Action 4、GoPro Hero 13、GoPro Hero 12、共に外観はどれも同じと言って良いと思います。
外観の大きさ・重量の違いは、機種の選定に影響を及ぼすほどではないと思います。
いずれのカメラも、交換可能なレンズ保護カバーが標準装着されています。
画角の比較
画角比較は、縦横比16:9でのみ比較を行いました。
- 「歪曲収差を補正した画角」
(Actionシリーズ:Standard / GoProシリーズ:Liner)
※丸く歪まない画角。
Actionシリーズの方が少し広角。 - 「ワイド画角」
(Actionシリーズ:Wide / GoProシリーズ:Wide)
※デフォルトの画角。
やはりActionシリーズの方が少し広角。 - 「超広角画角」
(Actionシリーズ:Ultra Wide / GoProシリーズ:Super View)
※超広角なのでちょっと歪みが強くなる。
車やバイクなど、スピード感を出す場合に使うと人が多いかと思います。広角の具合がちょっと強すぎる印象があるので、通常は使う人は少な目かと思います。
この画角では、Actionシリーズ、GoProシリーズともに、画像が横方向に少し引き伸ばされます。ですので以下のような弊害が起こります。
・画面の左右の端に映る被写体は、横方向に非常に引き伸ばされる。
・縦画面で撮影すると、縦に引き伸ばされたような画像になる。 - 「超々広角画角」※GoProのみ。
(Actionシリーズ:なし / GoProシリーズ:HyperView)
※GoProシリーズのみ設定。さらに歪みが強くなる。
GoProのセンサーが8:7になってから、そのセンサーサイズをフルに使う試みで搭載された画角だと思います。上述の超広角画角よりもさらに歪みがキツくなります。
GoProシリーズに対して、Actionシリーズのレンズは物理的により広角なレンズになっています。
だからなのか、似たような画角設定の「歪曲収差を補正した画角」「ワイド画角」においてもActionシリーズの方が少し広角です。
GoProシリーズのHyperViewは非常にワイドに見えますが、それは8:7のセンサーサイズによるものです。16:9のセンサーサイズでは映らなかった上下の範囲が取り込まれます。その分、上下方向が圧縮されます。
しかし、上述のとおりGoProシリーズのレンズはActionシリーズのレンズより少し狭いです。
そのため、GoProシリーズの最も広角であるHyperViewの左右端と、ActionシリーズのUltraWideの左右端を見比べると、Actionシリーズの方が少し広い範囲を撮影できています。
解像度の比較
Actionシリーズは4K、GoProシリーズは5.3Kです。
拡大すると、両者の差が明確に現れます。
Actionシリーズでは、画角が「Wide」の場合、4Kで録画していたとしても、4Kの実行解像度にはなっていないかと思います。
上述の通り、ActionシリーズはGoProシリーズの最も広角な画角よりも広いなレンズが搭載されています。そのため、ActionシリーズのWide画角は、実質のところ微妙にデジタルズームした解像感になっていると思います。
GoProシリーズは、Actionシリーズよりも画角の狭いレンズでかつ、5.3Kの解像度です。Actionシリーズに比べると明確に解像していると思います。
ぱっと見だとActionシリーズも解像しているように見えますが、シャープネスを強めているからそのように見えるだけかと思います。
昼間の色の比較
昼間の色の比較の設定は以下になります。
- カラー設定:全て(デフォ)|カスタム設定:全て(オフ)
- カラー設定:全て(デフォ)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)
- カラー設定:Action(デフォ)GoPro(Flat)|カスタム設定:オフ
- カラー設定:Action(デフォ)GoPro(Flat)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:オフ
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:オフ|(純正LUT適用)
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)|(純正LUT適用)
※GoPro Hero 12 Black はデノイズの設定はありません。
上記の通りに、カラー設定を変更して比較しました。
カラー設定の違いによるチェックしておきたい要素としては以下でしょうか。
- ダイナミックレンジ
- 発色(色合い)
- ログ(Log)の発色、ログにLUTを適用した時の発色
空の雲の白飛び
ぱっと見でわかりやすい点は、Action 5 Pro のデフォルト設定での空の雲のダイナミックレンジです。
「樹木の下の暗い部分」は、GoProと同じぐらいの明るさです。
しかし、GoProでは「空の雲」は白飛びしていますが、Action 5 Pro では全く白飛びしていません。
DJI Action 5 Proはダイナミックがレンジが広いような印象を受けます。
空の雲、空の色の描写
次に、DJI Action 5 Pro と DJI Action 4 との「空の雲」「空の色」の描写の違いです。
DJI Action 5 Proでは、「空の雲」の描写が少しのペっとした印象があります。
いわゆるスマホなどでよく見られるデジタル加工(Computational Photography)した色味のような印象です。
これは人によって好みが分かれそうですが、撮ってすぐにSNSなどに掲載する場合はこのDJI Action 5 Proの発色の方が映えそうかと思います。
逆に編集する人にとっては「余計な加工をしてくれるな!」と感じるかもしれません。しかし編集する前提での撮影ならば、ログ(D Log-M)で撮影すればよいと思いますので、このデフォルトの発色は気にすることはないのかなと思います。
そして「空の色」も違いがあり、Action 5 Proでは紫寄りな印象です。
これについては、個人的には、DJI Action 5 Proの方がより本来の空の色になったのではないかと思います。
おそらくAction 4では一般ウケを狙った色合いに調整していたのかなと思います。
青の色相を若干緑寄りするのは、本来はグレーディングの段階で行うのが理想的なフローなのかなと思います。
HDRの比較はしていません
DJI Action 5 Pro、GoPro Hero 13 Black、Hero 12 Blackでは以下の通りHDRでの撮影もできます。
- DJI Action 5 Pro|Color:HLG 10bit
- GoPro Hero13|Profile:HDR|HLG HDR:On / Off
- GoPro Hero 12|Profile:HDR
しかし、今回の比較動画の作成にあたっては以下のような理由でHDRの比較は行いませんでした。
- HDR設定にしたところで、見た目の変化はほぼない。
比較要素が増えることで分かりにくい動画になってしまう。 - そもそも比較動画はSDR(Standard Dynamic Range)で作成する。
もしHDR(HLG)素材の比較も取り入れると、SDR素材とミックスされた動画になってしまう。HDR素材を比較するならその比較に絞った動画にするべき。 - 動画を見る人の視聴環境がバラバラ(PC、スマホ、TV)。
夜間の色の比較
昼間の色の比較の設定は以下になります。
昼間とほぼ同じですが、冒頭にActionシリーズでは低照度専用の設定を差し込んでいます。
- カラー設定:Action(↓低照度用設定)GoPro(デフォ)|カスタム設定:オフ
Action 5 Pro 5:SuperNight |Action 4:Low-Light Image Enhancement:Auto - カラー設定:全て(デフォ)|カスタム設定:全て(オフ)
- カラー設定:全て(デフォ)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)
- カラー設定:Action(デフォ)GoPro(Flat)|カスタム設定:オフ
- カラー設定:Action(デフォ)GoPro(Flat)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:オフ
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:オフ|(純正LUT適用)
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)
- カラー設定:全て(ログ)|カスタム設定:全て※(シャープ・デノイズ:最低)|(純正LUT適用)
※GoPro Hero 12 Black はデノイズの設定はありません。
カラー設定の違いによるチェックしておきたい要素としては以下でしょうか。
- Actionシリーズの低照度用設定の発色
- ノイズの少なさ・ノイズの乗り具合
- GoPro Hero 13 Blackから始めて搭載されたデノイズ
Actionシリーズの低照度用設定
Action 5 Pro の SuperNight はとても明るく撮れていて、ぱっと見は凄いなと感じます。
しかし、よく見ると解像感が下がっています。そしてシャープネスの少し強めに掛かっているように見えます。これは1080pで使用するのなら問題ないと思います。
ただし、4Kの解像感を求める場合は、SuperNightは使わず、通常のVideoモードで撮影した後に編集で無理やり露出を上げた方が、解像感が稼げると思います。
ノイズの少なさ
ノイズの少なさは、DJI Action 5 Pro が圧勝ですね。
DJI Action 4とあまり違わないかなと思っていましたが、違いがはっきりとあります。
GoPro Hero 13 Black は GoPro Hero 12 Black と同じのようです。
GoPro Hero 13 Black に搭載されたデノイズオプション
今回の GoPro Hero 13 Black で撮影前に(唯一?)期待していたことがあります。
それは、Hero 13 Black に始めて搭載されたデノイズ(Denoise)の設定です。
今や昼専用カメラとも言われるぐらい、夜間などの低照度環境でノイズが多いGoPro。
内部のノイズリダクションを極力オフにして、後編集で手動でノイズリダクションさせることで、本来のGoProが持っている画質を復活させることができるのではないか、と期待していました。
GoPro Hero 13 Black のデノイズの設定を最も強力(最もノイズリダクションしない)にしてみました。
しかし、それでもノイズリダクションが掛かっているように見えます。
- 輝度ノイズについて:
高周波の(小さい)ノイズが増えました。しかし低周波の(大きい)ノイズにはノイズリダクションが従来通りかかっているように見えます。 - カラー(クロマ)ノイズについて:
全体的に強めに効いているように見えます。
結局、手動でノイズリダクションを試みるにしては中途半端にノイズリダクションが掛かってしまっています。
「Neat Video でのノイズリダクションを使ったらGoProのノイズが消えた!」といった動画が作れた良かったなと思っていたのですが、諦めました。
ちなみにActionシリーズはデノイズ設定を強くしたら、しっかりノイズを出してくれています。素晴らしい。
昼間の手ぶれ補正の比較
手ぶれ補正の比較では、以下のような撮影をしています。
- 歩道橋を歩く→走る →階段を駆け降りる
- カメラをぐるぐる回る →反対側にもぐるぐる回す
ここでの比較における手ぶれ補正の結果は、Actionシリーズ、GoProシリーズ、いずれも同じような結果です。
一般的な使用であればどちらも大差なさそうです。
しかし「カメラをぐるぐる回す」では、Actionシリーズに比べて、GoProシリーズでは手ぶれ補正しきれていないように見えます。
「画角の比較」の項目でも述べましたが、Actionシリーズに対してGoProシリーズは物理的なレンズ画角が狭いです。
それは、撮影画角の外の余白の範囲が少ないことになります。
電子手ぶれ補正では、撮影画角の外の余白がないと手ぶれ補正できません。
それで結果としてActionシリーズに比べてGoProシリーズでは手ぶれ補正できる範囲が狭くなっているのかなと思います。
夜間の手ぶれ補正の比較
夜間の手ぶれ補正では、Actionシリーズの低照度モードでも比較をしました。
- カラー設定:Action(↓低照度用設定)GoPro(デフォ)|カスタム設定:オフ
Action 5 Pro 5:SuperNight |Action 4:Low-Light Image Enhancement:Auto - カラー設定:全て(デフォ)|カスタム設定:全て(オフ)
ActionシリーズとGoProシリーズでは明るさが大きく違います。
ただ、あくまで夜間の手ぶれ補正能力についてチェックするとなると、気になる所は以下でしょうか。
- Actionシリーズ同士では、「カメラをぐるぐる回す」映像では、Action 5 Pro の方がより手ぶれ補正が効いているように見えます。
- GoPro Hero 13 Black は Hero 12 Black に比べてシャッタースピードの下限が上がったようです。(低照度環境でもシャッタースピードの時間を長くしない(短くする)ようにした。その分、映像は暗くなってはいますが…)
その結果、GoPro Hero 12 Black に比べて GoPro Hero 13 Black はブレが少なくなっています。 - ActionシリーズはGoProシリーズに比べて物理的なレンズが広角です。
その分、電子手ぶれ補正の際に、周辺の画像を拾ってより強力に電子手ぶれ補正ができるようになっています。
レンズ周辺部まで画像を拾う影響なのか、GoProより広いレンズの影響なのか、もしくはその両方なのかかもしれません。「カメラをぐるぐる回す」映像では、Actionシリーズは画面全体にレンズのケラれ(画面外側の周辺が暗くなる)が動いているのを確認することができます。
レンズフレアの比較
2種類比較しています。
- 標準装備のレンズ保護カバーをつけた状態
- レンズ保護カバーを外した状態
当然ですが、レンズ保護カバーを外した方が、レンズフレアが少なくなって画質が良くなります。
ただし、その状態でもActionシリーズはGoProシリーズに比べてレンズフレアが多く出ますね。
Action 5 Pro、Action 4 の特徴的なレンズフレア
Actionシリーズでは、レンズ保護カバーをつけた状態だと特徴的なレンズフレアが発生します。
レンズ保護カバーを外すとその特徴的なレンズフレアはなくなります。
でもレンズを傷つけてしまう恐れもあるので、多くの人はレンズ保護カバーを装着したままにすると思います。
私も最初はかなり気になりましたが、使っているうちに気にならなくなりました。
ActionシリーズはGoProシリーズに対してさまざまな面で優勢かと思います。
しかし、このレンズフレアについてはGoProの勝ちですね。
ローリングシャッターの比較
ローリングシャッターの比較では、横切る電車を撮影しました。
- 横切る電車(昼)
- 横切る電車(夜)
電車の縦幅と、横にずれた幅(ローリングシャッターの時間差によりずれた幅)の比率を確認します。
わずかにActionシリーズのほうが良いように見えます。
Actionシリーズは、GoProシリーズに比べて、物理的なレンズが広く、画素数が少ないです。
物理的になレンズが広いと、センサーに映る被写体は小さくなります。
画素数が少ないと、画素のデータを読み取るスピードが上がります。
なのでハードウェアの構成的にActionシリーズはローリングシャッターについては有利になると思います。
発熱の比較
久しぶりにサーマルカメラを引っ張り出して温度を比較しました。
Actionシリーズは4K、GoProシリーズは5.3Kで撮影しています。
14〜15分撮影しました。
撮影を止めて電源をオフにしてバッテリーを取り出したのは、撮影開始から16〜17分後ぐらいです。
温度比較の結果は、どうやら GoPro Hero 13 Black がもっとも発熱しているように見えます。
今回、Hero 13 はカメラの前面にヒートシンクを装着したことを売りにしています。これで長時間撮れると。
しかしサーマルカメラで確認した結果を見ると、ヒートシンクを付けざるを得なかった状況のようにも見えてしまいます。
そして最も発熱が少なかったのが DJI Action 5 Pro のようです。
取り出したバッテリーをみても、Action 5 Pro のバッテリーがもっとも発熱が少ないようです。
なぜ4KのActionシリーズに対してGoProシリーズは5.3Kの解像度で比較したのか
GoProだけ5.3Kだったら、フェアな比較にはならない!
5.3Kで撮ったら、4KのActionシリーズより発熱して当然じゃないか!
と思われる方もいるかもしれません。
なぜ5.3Kで温度テストしたかと言うと…。
全体的に性能面で優勢なのはDJI Actionシリーズかと思います。
でも、GoProシリーズにもいくつか強みはあります。
その中の一つに、5.3Kという解像度があります。正直な所、5.3Kという武器がないとGoProシリーズはActionシリーズと戦えないのでは?とも思ってしまいます。
なので、今回の比較動画では、GoProシリーズはすべて5.3Kで撮影しています。
街歩きでの比較
比較のために渋谷の街歩きをしました。
長い自撮り棒を使って、少し高い視点で撮影しています。
わかりやすい点としては以下でしょうか。
- 電飾の広告など高輝度のものについて。
GoProシリーズでは白飛びしている所が、Action 5 Pro では白飛びせずに詳細を描写できている。 - オートホワイトバランス(AWB)について。
GoProシリーズは全体的に暖色系になっている。
Action 5 Pro の高輝度の白飛びしない描写はすごいな、と改めて感じます。
昼間の自転車乗車時の比較
自転車に乗りながら撮影しました。
- 色味の違いについて。
「昼間の色の比較」で判明した色の違いが再確認できたかなと思います。 - ダイナミックレンジについて。
ビルの隙間から見える空の雲の描写を見ると、Action 5 Pro と、Action 4 ではダイナミックレンジはほぼ同じような印象を受けます。 - 手ぶれ補正について。
GoProシリーズの方では、ゆれが大きい時に少しカクつく時があるようです。
動画の12:07〜12:14あたり(交差点を左に曲がります)で確認できます。
夜間の自転車乗車時の比較
昼間と同じルートを走っています。
「夜間の手ぶれ補正の比較」では動きが激しすぎたためか、細かい手ぶれ補正の能力差まであまり気づきませんでした。
この比較では、手ぶれ補正のさらに細かい能力差が確認できます。
能力順に並べると以下のようになるかと思います。
手ぶれ補正の能力(1. が最も良い):
比較動画では触れていない追加の比較
比較動画では触れていないのですが、この記事ではいくつかの項目について、追加の比較を記します。
液晶画面のタッチ操作のしやすさ
DJI Actionシリーズの方が、液晶画面のタッチがしやすいです。
GoPro Heroシリーズは代々液晶画面のタッチの操作感が少し悪いです。
GoProでは、タッチの感度が悪いせいか、たまに設定画面などで意図しない設定をしてしまうなど、意図しないタッチ挙動を起こすことがあります。
また、GoProをマウントに固定した状態で、片手で液晶画面を操作すると、タッチの感度が悪くなります。その場合は、タッチする反対側の手でGoPro本体を触る・持つなどすると、タッチ感度が上がります。
物理ボタンの押しやすさ
GoPro Heroシリーズの方が、ボタンの押した感じが良いです。
電源ボタン、レコードボタンともに、程よい強さでボタンを押すことができます。
押した時のクリック感も良いです。
逆にDJI Actionシリーズの方は、ボタンが少しだけ硬い印象です。
GoPro Heroシリーズに比べると、ボタンを反応させるためにほんの少しだけ強めに押す必要があるかなと思います。
ただ、このボタンの硬さの差は機種選定に影響を及ぼすレベルではないと思います。
バッテリーの持ち
バッテリーの持ちはさまざまな要因に影響されると思います。
(バッテリーの劣化具合、外気温、カメラに当たる風量、使用時のモニターの明るさ設定、スクリーンオフまでの時間、記録する解像度やフレームレート等々)
比較動画を作成するにあたり、4機種を同時に使いました。その経験から、バッテリーの持ち具合の体感を示すと以下のような感じだったかなと思います。
バッテリーの持ちが良かった順(1. DJI Osmo Action 4 が最も良かった印象です。)
- DJI Osmo Action 4
DJI Osmo Action 5 Pro - GoPro Hero 12 Black
GoPro Hero 13 Black
DJI Action 4 と DJI Action 5Pro のバッテリーの持ちはほぼ同じ。
GoPro Hero 12 Black と GoPro Hero 13 Black もほぼ同じ、と言った感じです。
ファイル容量
GoProシリーズには以前からビットレートの選択肢(Bitrate: Standard / High)がありました。
それに対してActionシリーズはビットレートの選択肢がありません。また、Actionシリーズは、GoProの標準のビットレートに比べてファイル容量が大きい印象がありました。
そこで、1分00秒のフッテージを録画した際のファイル容量の比較を行いました。
Actionシリーズは4K 24p、GoProシリーズは5.3K 24pで撮影しています。
カラー設定 | BitRate設定 | シーン1 | シーン2 | 平均容量 | |
DJI Action 5 Pro | Normal 10bit | – | 351.5 MB | 353.8 MB | 352.7 MB (5.9 MB/s) |
D-Log M 10bit | – | 261.7 MB | 242.9 MB | 252.3 MB (4.2 MB/s) |
DJI Action 4 | Normal 10bit | – | 445.1 MB | 690.8 MB | 568.0 MB (9.5 MB/s) |
D-Log M 10bit | – | 693.8 MB | 693.1 MB | 693.5 MB (11.6 MB/s) |
GoPro Hero 13 Black | Standard 10bit | High | 556.6 MB | 558.8 MB | 557.7 MB (9.3 MB/s) |
Standard | 73.9 MB | 86.0 MB | 80.0 MB (1.3 MB/s) | ||
GP-Log 10bit | High | 888.0 MB | 890.7 MB | 889.4 MB (14.8 MB/s) | |
Standard | 102.7 MB | 62.1 MB | 82.4 MB (1.4 MB/s) |
GoPro Hero 12 Black | Standard 10bit | High | 553.4 MB | 557.0 MB | 555.2 MB (9.3 MB/s) |
Standard | 58.9 MB | 83.1 MB | 71.0 MB (1.2 MB/s) | ||
GP-Log 10bit | High | 780.0 MB | 780.9 MB | 780.5 MB (13.0 MB/s) | |
Standard | 101.7 MB | 59.8 MB | 80.8 MB (1.3 MB/s) |
DJI Action 5 Pro は、ビットレートがAction 4 よりも少し下げられたようです。DJI Action 4よりファイル容量が抑えられています。
個人的に DJI Action 5 Pro の使用頻度が上がりそうでしたので、これは嬉しいです。
GoProシリーズはビットレートは変わっていないようです。
GoProシリーズでは、Bit Rate: Standard ではかなりファイル容量が節約できそうです。
三脚穴の有無
三脚穴は GoPro Heroシリーズにしかついていません。
GoPro Hero 12 Black から三脚ネジ穴がついています。
DJI Actionシリーズの場合、三脚ネジでカメラを固定するには別途アダプターが必要になります。
「三脚ネジを利用しつつ、可能な限り省スペースでカメラを固定したい」
といった場合は、GoProの三脚ネジ穴は助かるかもしれません。
しかし、通常であればこの三脚穴の有無は、機種選定に影響を及ぼすレベルではないと思います。
まとめ
さて、4機種について、18項目の比較を行いました。
いかがだったでしょうか?
万人にお勧めできるのはやはり「DJI Action 5 Pro」
正直な所、DJI Action 5 Pro の勝利と言えるのではないでしょうか。
ほとんどの人には DJI Action 5 Pro がお勧めできると思います。
2024年10月現在、アクションカメラが欲しい人は、
DJI Action 5 Pro を買っておけばまず間違いないでしょう。
「GoPro Hero 13 Black」をお勧めできる人とは?
GoProシリーズは少し残念な結果になったかなと思います。
GoPro Hero 13 Black をお勧めできるのはいったいどのような人かなと想像してみました。
以下のような人なら、GoProをお勧めできるかもしれません。
- 録画する動画のファイル容量を抑えたい。
- 高解像度で撮影したい。(ただし昼間や高光量のスタジオでの撮影のみ。)
- 三脚ネジ穴を使ってコンパクトにアクションカメラを設置したい。
- アクションカメラで写真を撮りたい。(5.3Kの高画素を活かす。)
- GoProブランドが好き。
- 業務利用などで独自にリグを組んで安価に180度VRを撮影したい。
※GoProを2台+超広角レンズModも2台+独自リグで、プロ機に比べて安価に高解像度180度VR素材を撮影することが可能のようです。ただし左右のフレーム同期がズレることを念頭に置いておく必要があります。
以上、
DJI Osmo Action 5 Pro
DJI Osmo Action 4
GoPro HERO 13 Black
GoPro HERO 12 Black
を比較した結果でした。
この記事が機種選定の参考になれば幸いです。
よろしければ↑動画の方も改めてご視聴いただければ幸いです。